下請け

1年ぐらい前までIT業界で仕事をしていたのですが、IT業界は典型的なピラミッド構造になっており、上位階層から下位階層になるほど搾取が行われ単金が減っていきます。たとえばエンドユーザが1人月100万円の単金を出すとすると、中間搾取が行われ末端の会社では30〜40万円になります。リーマンショックの前までは仕事量よりも技術者のほうが少なかったため、あまり激しく搾取を行うと仕事を引き受ける会社が無かったので、末端会社でも50万前後は受け取れました。これがリーマンショック後では雇用助成金等の影響もあり、少しでも利益になるならと利益率を度外視して仕事を請ける会社が増えたため、際限なく単金が下がっていきました。

<IT業界の階層構造>(金額は各階層が受け取る1人月金額)
「エンドユーザ 100万」→「一次受け会社 70万」→「2次受け会社 60万」→「3次受け会社 50万」→「4次受け会社 40万」→「末端会社 30万」→「末端会社の社員の給料」

実際の作業場所では、各階層の社員が一緒に作業をするわけですが、ほとんど同じような仕事をしているにもかかわらず、どの階層の社員かによって給料に大きな差が出るわけです。もちろんエンドユーザに対しては全員一次受けの社員として振る舞います。

福島第一原発でも東京電力の社員はほとんどおらず、下請けが命を張って作業を行っているようですが、だれが考えてもおかしいと思います。いままでもっとも恩恵を受けてきた東京電力の社員は安全地帯におり、自衛隊、消防隊など本来関係の無い組織が犠牲になっています。特に最前線で作業する下請けはガイガーカウンターの持たされず自分の被爆量も知らずに作業を行っています。おそらく東京電力から見ると下請けは使い捨ての消耗品扱いなのでしょう。ほとんどの人が東京電力に対して激しい怒りを感じている思います。

ちなみにIT業界では、精神を病んで鬱病になったり、プレッシャーに耐えられず自殺したりするする人はいますが、作業で被爆したりすることは無いので恵まれているのかもしれません。