2011年08月19日23時15分頃 USD/JPYが75.95円を記録し、震災後の3月17日に付けた最高値を更新しました。最近は介入警戒感と76.30〜76.40の抵抗に跳ね返され、下値攻めも無くなってきていたのですが、外電で報じられた財務省の中尾武彦財務官のインタビュー「われわれには頻繁に介入する計画はない。介入を日常的手段として用いない」「日本は必要な時に適切な行動をとる」により介入警戒感が薄れ、いっきに円買いに傾きました。他の通貨は動いていないので、完全に円が狙われての最高値更新となりました。
最近本邦金融当局から出ていた「24時間監視を行う」等の介入警戒感を、財務管自らが否定した形になったわけですが、なにを考えてインタビューに答えているのでしょうか。有名なウォールストリートジャーナルのインタビューにうれしくなって、なにも考えずに答えているとしか思えません。財務大臣が無能な上に官僚まで無能では救われません。
円高はメリットもあるのですが、雇用面から見ると輸出関連の雇用者のほうが、輸入関連よりもはるかに多いのです。円高になっても最終製品製造の大企業は海外に逃げればすみますが、輸出企業のピラミッドの底辺の中小零細企業は海外にも進出できずに廃業するしか無くなります。サラリーマンの大部分は中小零細企業に勤めているのです。失業者が溢れ金の無い人間が増えると内需も死にます。
政権与党の民主党は次期総裁選に夢中でほかのことは目に入らないようですが、国の将来も少しは考えてほしいものです。