円は2011年10月25日23時30分頃に75.75円、24時頃に75.73円を付けてドルに対して戦後最高値を更新しました。2011年10月21日に付けた75.78円をわずか4日で更新しました。さすがに今回はすぐに政府・日銀は市場介入を含めた対応策の検討に入ったと報道があり、ごくわずかのリバウンドがありました。
ジワジワ進む円高ですが、円安に戻すような方法は限られています。効果的な方法から順にあげると以下のとおりになります。
1.スイス国立銀行のように自国通貨を無限に印刷し、ドル買い介入を行う。これはもっとも効果的ですが、白川総裁が絶対にやらないでしょう。日銀が病的に恐れているハイパーインフレになる可能性があるし、白川総裁自論の金融政策のまったく反対の方法ですからプライドのかたまりの白川総裁は絶対にやらないでしょう。
2.衆議院の解散を行う。これは政情不安による円安および次政権の金融政策がわからないため円安方向に進むと思われます。ただし民主党は政権を降りたら2度と与党にはなれません、それどころか議席数も「みんなの党」あたりに抜かれるかもしれません。このため民主党はどれだけ支持率が下がろうと政権にしがみつくでしょう。
3.白川日銀総裁を解任する。これが一番現実的な方法だと思います。実際問題として日本以外の国が自国通貨を増刷して金融緩和を行っている中で、日本だけが通貨の増刷を行わずに円高になっているので、対処の方法としては通貨の増刷がもっと妥当な方法です。まず震災復興費用の20兆円を日銀引き受けの国債でまかない、増刷した通貨をもとに輸出企業が国内にとどまる程度の円安水準にもどるまで小規模な介入を繰り返す。
4.米国・欧州の景気回復による政策金利の上昇を待って自然に円安になるのを待つ。これはうまくすれば5〜6年でなるかもしれませんが、そのころ円は40〜50円台になっていそうです。失業率は20%ぐらいになっているかもしれません。
5.3〜10年先ですが国債の国内消化ができなくなり、国債を全て日銀引受けにする。これは1と同じように思えますが、破滅にまっしぐらです。通貨価値の暴落が起こり、預金封鎖&新円切り替えという国民資産を没収しての借金返済が行われます。いやおうなく円安になります。
6.国債の国内消化ができなくなり、ドル建て国債を発行して海外に国債を売る。しばらくはしのげますが、いずれギリシャと同じ運命をたどります。
なんとなく4か5になりそうな気がして怖いです。