スズキ ジェンマ50のキャブレター清掃

我が家に昔からあるスクーター SUZUKI ジェンマ50を復活させてみることにしました。
家の者に聞くと20年ぐらい前から乗らずに倉庫に入れっぱなしにしていたようです。

スズキ ジェンマ50は30年くらい前に発売された車種で、当時人気のあったベスパによく似たスタイルのスクーターです。

とりあえず20年分の埃を払ってから、フロントの収納箱を開けてみるとサービスマニュアルが出てきました。
サービスマニュアルがあるなら動いたも同然です。

ガソリンタンクを開けてみるとガソリンは満タンに入っています。これは非常に良い事です。
長期保存するときはガソリンを満タンにしておくとタンク内がサビません。
匂いを嗅いでみるとガソリンの匂いがしますが、さすがに20年前のものは使えないでしょう。

とりあえずガソリンを全て抜き取ります。
タンク内に手動ポンプを突っ込んで汲み出します。
タンク底のガソリンはキャブに繋がっている燃料パイプを抜いてから、座席下のゴム製のメクラ蓋を外して隠れているネジを90度回します。
これで残りのガソリンがパイプから流れだします。

<座席下の燃料ネジ>


キャブの中のガソリンはキャブの燃料排出パイプのとこに付いているネジを緩めてやると内部のガソリンが流れだします。

2サイクルオイルも満タンに入っています。抜き取ろうかと思ったのですが、たぶん20年前のオイルでも問題なく使えそうです。
とりあえず2サイクルオイルの供給経路が詰まっていることも考えて、50対1の混合燃料を造りガソリンタンクに入れました。
2サイクルオイルが供給されていても白煙が多めに出るだけです。
それよりも焼きつきのほうがはるかに怖いです。

バッテリーは当然上がっているのでセルモーターは動きません。
キックしてみると圧縮は問題なさそうです。
キック20回目くらいでエンジンが掛かりました。

電装類をチェックしてみると、ブレーキランプはOK、ライトもOK、方向指示器もOKで問題はなさそうです。
走行してみようとスタンドを降ろしてタイヤが地面に着くとエンジンが止まります。

再度スタンドを立ててキックでエンジンを掛けてみます。
アクセルを開けてみるとエンジンが止まります。
何度やっても同じです。

エンジン不調の原因を怪しいところから見ていくことにします。
まずエアクリーナを開けてフィルターが詰まってないか確かめます。
開けてみると30年物とは思えないほどキレイなスポンジが入っています。

次にマフラーが詰まっていないか確かめます。
エンジンを掛けてマフラーに手をかざして見ると排気圧を感じるので大丈夫なようです。

次はキャブが詰まっていないか確かめます。
エンジンカバーを外してキャブを探すとえらく奥のほうに付いています。
サービスマニュアルを見てみるとエンジンとフレームを外して、フレームを前にずらすと作業がやりやすいと書いてあります。
ひどい整備性です。なんでキャブを外すのにいちいちエンジンを降ろさないといけないのでしょう。

エンジンをフレームはボルトを二箇所外せば分離できるようです。

<このボルトを外せばエンジンが外れる>


エンジンを外すのは思ったより簡単そうですが、我が家にはクレーンがありません。
スタンドはエンジンに付いているので、分離後のフレームは吊るしてやらないと倒れてしまいます。
そこで脚立を持ってきて簡易クレーンとして利用しました。

<脚立を利用した簡易クレーン>


エンジンとフレームを分離後、フレームを5センチくらい前にずらすとキャブにアクセスしやすくなります。
このぐらいの移動なら電線類、ブレーキラインも外さなくてすみます。

<キャブレター>


キャブレターを外して分解し、ジェットにキャブクリナーを吹きかけます。
ジェットを光にかざしてみて穴が開いていることを確認します。
フロート室はドロドロになっていたのでキャブクリナーを吹きかけ布で拭き取りを何度も繰り返しキレイにしました。
あとはキャブの穴すべてにキャブクリーナーを吹き付けて詰まりがないことを確認します。

キャブの清掃が終わったのでエンジンに戻します。
キャブの外側は布で拭きとったので少しはキレイになりました。

<清掃後のキャブ>


キャブをエンジンに戻したのでエンジンとフレームを合体させます。
分離するときは簡単だったのですが、合体させるのは非常に面倒です。
ボルトを通すためにエンジンとフレームのボルト穴が合うように調整しなくてはなりません。
1時間ぐらい悪戦苦闘してから諦めました。
乱暴なやりかたですが、車体を横倒しにしてボルトを通すことにしました。
念のためガソリンキャップの空気穴はテープで塞ぎました。

<横倒しにしてエンジンとフレームを合体>


横倒しにすると苦労していたのが嘘のように簡単にボルト穴が合い、ボルトを通すことができました。
車体を立ててからサスペンションのボルトも止めてエンジンとフレームは元通りになりました。
外装パネルなどを付けて完成です。

<完成したジェンマ>


エンジンを掛けてアクセルを開けると気持ちよく吹き上がります。
試運転してみると問題なく加速します。
どうやらエンジン不調の原因はキャブレターの詰まりだったようです。


残りの作業は以下のとおりです。
1.新しいバッテリーを入手してセルが動くか試す
2.ギヤオイルがどのくらい入っているかわからないので新しいギヤオイルに交換する。


<今回活躍したケミカル類>

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