単独介入

2011年8月4日午前10時に日銀による単独市場介入が行われました。米雇用統計の前日の介入ということで、意外なタイミングでの介入となりました。米雇用統計では1円以上の値動きは普通に起こりますので、せっかく介入で押し上げても水の泡になるからです。タイミングはともかく、今回の介入は押し目を作りながら売りを誘い少しずつ上げていくという、これまでの介入とは異なる手法がとられました。結構だまされて上昇途中で売りが入っていたようです。売りは後に上昇のエネルギーになるので、介入のやり方としては良かったと思います。

結果論になりますが、8月5日の米国市場ダウは-512,76というリーマンショック以来の大きな下落となりました。おそらく介入がなければ、円は市場最高値を軽く更新していたと思います。

介入にあわせて日銀による追加緩和が発表されましたが、日銀恒例の小出しの追加緩和で市場への影響はまったくありませんでした。円高の原因が米国と欧州の過剰な通貨の発行にあるため、円高を是正するには日本も輪転機を廻すしかありません。100兆円くらい日銀引き受けの国債を発行して、20兆円で震災復旧を行い、残りで太陽電池風力発電補助金、耐用年数の来ている橋梁等の修繕等、予算が足りなくて出来なかったことを行えばよいと思います。おそらく円高進行は和らぐと思います。

日銀は「日銀の独立性」と「円の信認を守る」ことには全力を尽くしますが、国民の雇用等には興味がないようです。どれだけ不況になろうが自分たちの給料は保証されていますから知ったことでは無いのでしょう。なにより輪転機を廻すということはハイパーインフレの危険と背中合わせになります。自分たちの政策によりハイパーインフレが起こると責任を取らされ、悪い意味で歴史に名が残ります。そんな危険を侵すくらいなら、あたりさわりのない政策でデフレのままにしておいて、任期が終わるのを待つつもりなのでしょう。民主党のゴリ押しにより就任した白川氏でなく、最初に日銀総裁に予定されていた武藤氏が日銀総裁だったら状況は変わっていたかもしれません。日本の不幸は「最悪の経済状況」&「最悪の震災」&「原発事故」という未曾有の状態で、「無能な政権」&「なにもしない日銀」に全てをたくさないといけないということです。

ちなみに今回の介入にはうまく乗れましたので、1日で月の目標収益を超えてしまいました。今月は休みを取りながら、のんびり取引をするつもりです。