スイス国立銀行(SNB)介入 その後

9月6日 17時の介入&声明から2日たった現在もEUR/CHFは1.20台を守り1.21台を目指す勢いです。スイス国立銀行SNB)は継続的にユーロ売りの介入を続けているようです。自国通貨安への介入なので、無限にスイスフランを印刷してユーロを買えばよいためSNBに負けはありません。ただしこれにはインフレという多大な弊害があります。インフレは適度(物価が上昇して、それ以上に所得が向上)であれば経済にはとても良いのですが、物価の上昇に所得の向上が追いつかない場合、貧乏人は死ねという状態になります。インフレの最悪の形としてよく例にだされるのがジンバブエです。ジンバブエはパイパーインフレのなれのはてで紙幣には0が無限にならんでおり、その紙幣の束をカートに山積みして買い物をするようです。

ちなみに中国と韓国は元・ウォンを刷って米ドルを買う介入を継続的に行っていますが、両国に共通して起こっている現象は「企業は自国通貨安により儲かる」「庶民は貧しくなる」です。物価の上昇に所得の向上がまったく追いついていません。

スイスは過去にドイツマルクに対して同じように無限介入をおこなったようですが、結局インフレになって介入をやめてしまいました。今回のユーロに対しての介入ですが、スイスの輸出入のほとんどがユーロ圏が相手です。EUR/CHFは取引量がそれほど多くありませんので、日銀が介入するときのような多額の資金は必要ありません。ヘッジファンドが早々にあきらめてくれたらインフレにもならずスイスの大勝利もあるかもしれません。ちょっと楽しみです。

昨日、五十嵐財務副大臣がスイスの政策について以下の発言を行いました。なぜ自国の金融政策の幅をわざわざ狭めるようなことを言うのか理解できません。なぜSNBの気持ちもわかる見たいなことを発言できないのでしょうか。無能無策な本邦金融当局者には期待するだけ無駄なようです。というかいらんこと言うぐらいならしゃべるなと言いたい。

<五十嵐財務副大臣の発言>

他国の金融政策にコメントしない(スイスの金融政策について)

スイスは経済規模も小さく、おのずと金融政策も違う

日本は投機的な動きには対処も自由な市場を守る

通貨安戦争を仕掛けるつもりはない