厚生年金と共済年金の一元化

本日参議院において「消費税増税法案」とともに「共済年金と厚生年金の一元化」が可決されました。
共済年金と厚生年金の一元化」については議論されていることは知っていましたが、内容はくわしく知りませんでした。
自治労が最大の支援団体である民主党が、なぜ「クソ社会保険庁に食い物にされ無駄遣いされまくり毀損した厚生年金」と「まったく毀損していない共済年金」を一元化する法案を出したのか疑問でした。
年金支払額に対する積み立て額は厚生年金よりも共済年金のほうがはるかに余裕があります。
自治労に不利な法案を民主党が出すわけがないので、なにか裏があると調べてみると、厚生年金の保険料率が16.412%に対して公務員共済は15.862%で、公務員のほうが料率が低いのに支給額は同じ程度もらえます。もともと共済年金は優遇されていて、さらに公務員共済は職域加算として月2万円が加算されます。
一元化にともない保険料率は18.3%に上げられるのですが、公務員の料率が上げられるのは会社員の1年後で、しかも職域加算は温存したままです。つまり会社員は1年早く高い料率にされて、年金を貰うときは公務員より月2万円少ないという、公務員の食い物にされるわけです。

民主党がこの法案を急いだのは、共済年金の積立金は現在は優良な状況だが、公務員の人員構成が非常にいびつ(若年層が少なく高年齢層が多い)なため、厚生年金よりも破綻するのが早いので、一元化により共済年金の破綻を先延ばしにするのが目的のようです。
与党のうちに成立させてしまえば、自治労が今後も民主党を支援してくれると思ったのでしょう。
こういう詳しい話はテレビでは説明しないので、会社員は「共済年金と一緒になるのか」ぐらいにしか思わないでしょう。
一元化しなくても厚生年金は遠くない将来に破綻しますが、今回の一元化により破綻時期が早まったことになるようです。

厚生年金の積立金状況と破綻予想(私が勝手に予想した)はこちら
http://d.hatena.ne.jp/it_fx/20120301/1330589901

どちらにせよ逃げ切り世代以外(たぶん65歳未満ぐらい)は基礎年金と企業年金以外は貰えないものとして、自分で老後資金を貯めたほうがよさそうです。