おそらくギリシャに対する現在の救済措置は、秩序ある破綻までの単なる時間稼ぎだと思います。外国金融機関が保有するギリシャ国債の総額は1457億ドルもあり、これから延々と続くギリシャ国債の償還に対して永遠に資金供給を行うのは、ユーロ圏の国にとって国民感情から無理があります。ギリシャ国債の価値が無くなった(実際は50%減免?)場合に、破綻しないだけの資本増強が金融機関に整えば、もっとらしい理由をつけてギリシャは破綻しユーロ脱退でしょう。
以下は国際決済銀行が2011年6月に発表した欧州の金融機関が保有するギリシャ国債の状況です。100億ドル以上保有する国を選びました。(1ドル77円換算)
フランス 567億4000万ドル(4兆3689億円)
ドイツ 339億7400万ドル(2兆6159億円)
イギリス 140億6000万ドル(1兆826億円)
ポルトガル 102億8600万ドル(7920億円)
日本(参考) 16億3100万ドル(1255億円)
額だけで見るとフランスとドイツが危険そうなのですが、ギリシャと並ぶPIIGSのポルトガルに危険な香りがします。ポルトガルの2010年のGDPは18兆円でドイツの1/14しかありません。
以下は国際通貨基金が発表した2010年GDP(1ドル80円換算)と、GDPに占めるギリシャ国債の割合を示したものです。
フランス 206兆円 2.1%
ドイツ 265兆円 0.9%
イギリス 179兆円 0.6%
ポルトガル 18兆円 4.4%
ポルトガルは超危険な状態でフランスも結構ヤバめです。ギリシャの即時破綻はポルトガルの連鎖破綻を招きそうです。ギリシャの破綻時期ですが年内は無いと思いますので、来年のどこかでしょう。
ところで日本も1255億円のギリシャ国債を保有していますが、これはEUから要請があって購入したものではなく、某前首相が海外でいいカッコをしたくて買わなくてもよいものを買ったものです。そうです現在お遍路に出ている、権力に執着して中々辞めなかった、税金である官房機密費を使って取り巻きと高級料亭で飲み食いしまくったあの男です。